薪ストーブで火災が起きる危険はあるの?〜原因と予防策を解説〜
薪ストーブで一番の心配は火災のリスクではないでしょうか。
家の中で炎が上がっているという状態に不安を感じる人も多いと思います。
二次燃焼、三次燃焼式の薪ストーブでは、火災が起こるリスクはかなり低くなっています。とはいえ、0と言えないのが実情。
そこで、薪ストーブで火災が起きてしまう原因について解説していきましょう。どのような使い方をすると火災につながるのかを知っておくと、より安全にストーブを使うことができますよ。
目次
薪ストーブで火災が起きる原因2つ
現在流通している薪ストーブは、二次燃焼、三次燃焼という方式が使われています。この方法で薪を燃やすと、火事の心配がほとんどなく、安全に室内を温めることができるのです。
しかし、薪の量やストーブの設置方法を間違えると火災のリスクが生まれてしまいます。ストーブ火災が起こる原因は主に2つです。詳しく見ていきましょう。
煙道火災
一つは煙道火災という失火です。
これは煙突内にこびりついた煤やタールに火がついて、煙突内で炎が上がってしまうものです。この火が室内まで逆流してしまうと非常に危険です。
煙道火災は、煤やタールも燃焼させる二次燃焼、三次燃焼方式のストーブでは基本的に起こらないものです。しかし、ストーブ内で不完全燃焼が起こると、煤が発生して煙突に溜まってしまいます。不完全燃焼とは、酸素がストーブ内に十分供給されず、燃焼温度が下がっている状態を言います。不完全燃焼が沿煙道火災の原因と言ってもいいですね。不完全燃焼を防ぐ方法について後述するので参考にしてください。
輻射熱
二つ目は輻射熱による火災です。薪ストーブは空気を直接温めることができます。これを輻射熱といいます。
輻射熱で長時間周辺の床や洗濯物などの可燃物を温め続けられると、徐々に温度が上がっていって突然燃え始めることがあるのです。
特に、ストーブを設置する場所の床や壁に断熱処置を施していない場合、この火災のリスクが高まります。
輻射熱は効率の良い暖房なのですが、安全に利用するためにはストーブ周辺の環境整備を慎重に行うことが必要です。
煤を出さずに安全にストーブを温める方法
では、スムーズに二次燃焼、三次燃焼を起こしストーブ内から煙突にかけて煤を溜めないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。注意点を2つ解説します。
ストーブごとに適切な薪と空気を供給
まずは薪を詰め込みすぎないことです。
ストーブの燃焼方式や大きさ、使い方の違いよって、薪の適量は決まっています。
その量を無視して薪を詰め込みすぎると、大量の薪を燃やすための酸素が足らなくなってしまい不完全燃焼に繋がります。購入時に説明書を読む、購入する業者さんから説明を受けるなどして、事前に適量を確認しましょう。
もし、ストーブの中で赤い炎が上がっていたら薪を追加してはいけません。赤い炎は酸素不足で温度が下がっている目印です。ストーブによっては空気調節レバーがついているので、空気の供給量を増やすなどの調整を行ってください。しっかり温度が上がれば、少ない薪でも長く燃やすことができるので、急いで薪を追加する必要は無いのです。
湿気った薪を使わない
次に、薪の水分がしっかり抜けていることを確認しましょう。水分を含んだ薪を燃やすとストーブ内の温度が上がりにくくなってしまいます。そのため不完全燃焼に繋がりやすくなるのです。
湿気った薪をストーブに入れないようにしましょう。もし、乾き具合が気になる場合は、一度ストーブの近くにおいて輻射熱で乾かすという方法もあります。でも、乾きすぎて薪に火が付く危険もあるので、薪を乾かしているときは目を離さないようにしてください。
ストーブの温度をしっかり上げるために、十分乾いた薪を常にストックしておくといいですね。
輻射熱家屋を守る設置方法
輻射熱による火災のリスクをなくすには、設置する床と壁に断熱処理をします。タイルや断熱材などいろいろな方法があります。
薪ストーブを購入する際、DIYで取り付けようとする家庭もあるようです。もちろんそのほうがコストを抑えられるのですが、十分な断熱処理をするのは素人では大変です。
薪ストーブを設置する際は、業者に依頼して安全なものを施工してもらうのがベストです。知識と技術の面で専門家が優れているので、多少費用がかかっても利用すべきです。安全を買うと思ってください。
煙突の定期的なメンテナンス
以上のことに気をつけても、まれに煤が煙突の中に溜まることがあります。そのため、1年に1回程度煙突掃除をする必要があります。冬に使うことがメインのストーブですので、気温が下がり切る前、10月中旬までに一度メンテナンスをするといいでしょう。
掃除も業者に相談すればやってくれることがあります。一人では難しい、時間がないなどの場合にも、施工を依頼した業者に煙突のメンテナンスをお願いしましょう。
まとめ
薪ストーブの火災のリスクについて見てきました。大切なのは、事前にストーブの使い方をよく理解して、適切な量の薪を燃やすことです。温度がしっかり上がれば煤もタールも燃えてしまうので、煙突は綺麗なままです。
輻射熱を遮るには専門業者に設置を依頼するのがベスト。ストーブを置く場所についても診断してもらえるでしょう。
正しく使用すれば火災はほとんど起こりません。
火を扱うという意識を常に持って、安全を心がけましょう。