無電源ペレットストーブ・冬の災害時の備えに最適!
木質燃料ストーブは2011年の東日本大地震発生以後、災害時の備えとして注目されています。大地震の発生時がまだ冬の時期にあたり、電気やガス、石油の供給がストップしてしまったために暖を取れず寒さで亡くなる犠牲者の方も多かったからです。
ペレットストーブは燃料の備蓄も簡単で、大雪による停電時にも暖を取ることが出来るメリットがあります。ただ、国産のペレットストーブの多くは着火は手動で行っても燃料と排気の管理に電気を必用とするタイプになっています。あるいは着火も電気式ヒーターで行う機種もあります。
そこで、今回は完全に無電源で着火と燃焼の維持が出来るラミノックスのパティオヒーター、ペレットで着火した後薪をくべることも出来るハイブリット式のアデュロH1ハイブリットを紹介します。
災害時の備えとしてのペレットストーブの利点
2020年の大雪による停電やライフラインの寸断、2019年房総を襲った台風による山間部の被害拡大になどよって、電気の使えない冬を経験した方も多いのではないでしょうか。気温の低い季節に暖を取る方法がないということは、最悪の場合生命の危機に繋がります。電気やガスの復旧を待ち、石油が手に入らない状態で、2~3日を耐え抜くのは非常に高いストレスを人体を与えてしまうからです。
その点、木質バイオマス燃料を使った暖房が備わっていると
- ・暖を取る
- ・炊き出しなど温かい食事を作れる
- ・お湯を沸かし清拭を行って心理的なリフレッシュを測れる
など、災害避難時のストレス解消に大きな力を発揮してくれます。小さなお子さんや高齢者など、体温調節が難しい方にとってはより重要な意味を持っています。
特にペレットは2cm大の小さなチップに整形されて袋詰にされているので、備蓄のための場所も取らず、湿気を避けて長期間保存することも可能です。薪は長期間保管すると湿気って燃えにくくなる、ワンシーズンに用いる燃料が膨大な量になるというデメリットがあるので、防災目的ではペレットストーブの方が優れています。
無電源、ハイブリットのペレットストーブで災害時も快適に過ごせる
ラミノックス社のパティオヒーターは、可動式無電源ペレットストーブという画期的な機種です。本来薪ストーブやペレットストーブは排気のためのダクトや煙突を壁に穴を開けて設置するので、一度取り付けてしまうと動かすことは出来ません。
パティオヒーターは屋外で使用することを想定して設計されています。ストーブの下部分の給気口から空気を取り入れて燃料を燃やし、排気ガスは自然の上昇気流でストーブ上部から排出されていきます。
若干燃費が悪いというデメリットがありますが、燃料タンクについたレバーを使えば燃焼中にタンクと燃焼室の間を密閉し、逆火を防ぎながら燃料の追加が出来ます。そのため、定期的に燃料を供給し続けて火を燃やし続けることが可能です。
▶パティオヒーターLaminox HOT SPOT13ラミノックスホットスポット詳細
ただし、排気ファンがなく燃焼ガスをドラフトで排気するという構造上、多くの人が避難している屋内で利用することは出来ません。そこでもう一つの選択肢としてハイブリッド式のアデュロH1ハイブリットを提案しましょう。
アデュロH1ハイブリットは、スマートフォンアプリを使って遠隔で着火、温度の監視などがでいる次世代型のペレットストーブです。着火のために電気を必要としますが、蓄電池や発電機があれば停電時でも対応出来ます。ペレットで火が熾ったら、薪をくべて火を移すことで継続して室内でも暖を取ることが出来るのです。またペレットタンクを遮断することで、薪だけを燃やすことも可能。
普段使いする暖房としても、外出先からタイマーを設定して着火し帰宅時には快適な室温になっているという優れたモデルです。
まとめ・避難場所へのペレットストーブ完備が課題
冬場の大地震や大雪で家屋が倒壊し、避難所生活をしなくてはいけないときの暖房としてペレットストーブは活躍してくれます。パティオヒーターは屋外での使用に強いので、炊き出しや衛生に役立ちますし、ハイブリット式は予備電源さえあれば一般家庭で災害時の暖房として秀逸です。
ただ、日本全国の避難場所に備えられているのは石油ストーブで、ペレットストーブの配備はまだ進んでいません。
今後化石燃料の枯渇に伴い、エネルギーの地産地消を目指すうえで木質バイオマス燃料の普及は大きな課題です。理想は、避難所として使われる地域の体育館や小学校にペレットとストーブが完備されることでしょう。
また、パティオヒーターのような無電源式ストーブの小型化と排気の方法の改善が達成されれば、もっと小規模な集会所などでも保管することができます。自治体主導の予算計画と研究開発の進展が待たれますね。