余ったペレット燃料の活用方法2種。ガーデニングに有効な使い方も紹介
3月の終わり頃になると、そろそろ暖房が必要なくなりますね。この時期に薪やペレットを使い残してしまうという方も多いのではないでしょうか。薪は来年の向けてストックすれば良いのですが、一旦封を切ってしまったペレットは湿気で燃えにくくなる不安があります。
そこで、シーズン中に使いきれなかったペレットの活用方法を2つ紹介します。また、ペレットをストーブのタンク内に残してはいけない理由も合わせて解説します。
使い残したペレットの利用法2種
1つ目の使い方は、ペットのトイレの砂の代わりです。市販のものに慣れてしまっているペットは嫌がるかもしれませんが、一度試してみてもいいですね。木材から作られたペレットは多孔質といい、ひとつひとつの塊の中に微細な空気の塊が無数に含まれています。
その穴の中に猫の排泄物の匂い物質が吸着するので、部屋の空気がクリーンに保たれます。使用済みのペレットは可燃ごみですので、自治体のごみ捨てルールに従って処分しましょう。
また、多孔質の性質をさらに活用して冷蔵庫の臭い取りや玄関や靴箱の消臭材としても利用できるかもしれません。その際は好きな形のポットにいれるなど、いろいろ工夫してみると楽しいですね。
マルチング材としての利用
2つ目の使い方は鉢植えなどに雑草が生えるのを防ぐためのマルチング材です。マルチングとは、ビニールなどを土の上に敷いてその下に雑草が生えてくることを防ぐ作業とその道具のことです。
植物が植わっている土の表面にペレットを敷き詰めると、太陽光が遮られるので土中の雑草の芽が栄養を作り出す事ができません。結果として根腐れを起こして枯れてしまうのです。
土の中に残った雑草のカスはそのまま育てている植物の肥料にもなります。また、平成16年に北海道立林産試験場が行った委託研究によると、堆肥の中に混ぜることで土の水分を調節することができたり、家畜敷料として牛舎や豚舎での利用ができるということが明らかになりました。
参考元資料:農業利用に適した木質ペレットの製造/滝上木質バイオマス生産組合
使い残りのペレットだけでは、畑全体の雑草予防には足らないかもしれません。ですが、趣味のガーデニングに小さな鉢植えを育てている場合、冬を超えるの難しい植物の根本に蒔いて保温効果を高めることもできます。自宅で植物を育てている人はぜひ試してみてください。
ペレットは湿気で粉末化するのでタンクが詰まる
木材を圧縮し固めて作るペレット燃料は、水分を含むと膨らんで形状が崩れ、やがて粉末化する性質を持っています。タンクの中にペレットを残したままにしておくことは絶対に裂けなくてはいけません。なぜなら、日本の夏は湿気が多いので自然に水分を吸ってペレットがふやけてしまうからです。
そのままではタンク内を錆びさせてしまいますし、粉がペレットの送り口から燃焼ポットに掛けて目詰まりを起こし、最初の燃焼のときにクリンカーを増やしてしまうからです。
クリンカーとは、粘性燃焼残滓とも言われ、灰が固まって粘土の用になったものが更に燃やされて硬い塊になるものです。陶器の製造行程を考えるとよく似た現象といえますね。
クリンカーが着いた状態の燃焼ポットを使うと、燃焼窯内に十分な酸素が供給されず不完全燃焼が起こります。これを防ぐために、ペレット粉末によるタンクの詰まりには十分注意しなくてはいけません。
まとめ・使い残りのペレットはタンクに残さずきちんと処理を
木質ペレットには無数の穴が空いているので、消臭剤としての活用が期待できます。またガーデニングや家畜敷料としての活用法も研究されているようでした。
ペレットはもともとおがくずから作られ、極度に乾燥させられたものです。そのため湿気に触れるともろくなって粉末化します。その粉がタンクの目詰まりを起こすので、シーズンオフのタンク掃除は欠かせないメンテナンスといえます。
そもそもが可燃物である木質ペレットは量が少なければ燃えるゴミとしても処理できます。捨てるのは多いけれど、残すには少ない、そんなときは今回紹介した活用方法を試してみてください。