ペレットストーブの燃費と燃料代。電気式暖房や薪ストーブとの比較
ペレットストーブの購入を考えるとき、多くの人が気にすることが燃料代や燃費です。結論からいうと、ペレットと薪の燃料代はほぼ変わらず、薪の方が若干低価格です。
そして、ペレットストーブは電気を使った暖房に比べて高いエネルギーを生み出すことが出来ますが、そのエネルギーのすべてを熱に変えられるわけではありません。
では具体的なペレットの価格と1時間あたりの必要量、そこから生まれる熱エネルギーの量を示し、他の暖房器具とどう違うのかについて解説します。
1時間で1キロのペレットを消費
ペレットの相場は1キロ60円から100円程です。全木ペレットか、ホワイトペレットかによって異なります。使われている木材の調達方法によってもやや変化するようですね。1袋に10キロのペレットが入って売られていることが多いです。
1時間単位の必要量は、ペレットストーブの大きさや機種によって変化するので一概には言えません。ストーブ自体よタンク容量が10キロ~30キロと幅広く、燃費もそれぞれ違うからです。
目安として、1時間に消費されるペレットの平均は1~1.5キロですから最低1時間60円で部屋を温められると考えることが出来ます。
ペレットストーブのコストと熱効率
燃料としてのコストは、エアコンやガスストーブ、電気ストーブと比べてペレットが優れています。ペレット1キロを燃焼させて得られる熱エネルギーは約4000キロカロリー。エネルギーを得るための効率を考えると出費は40円程度です。同条件に設定したとき、部屋を暖めるのにかかる電気代やガス代が単価が50円~80円ですので、比較的低価格と言えます。
ただ、問題は熱効率です。熱効率とは、熱を作り出すエネルギーが熱(暖かさ)に変化するときの割合を示しています。エアコンや電気ストーブの熱効率が8割近いのに対して、ペレットストーブや薪ストーブは2、3割に止まっているのです。
つまり、瞬間的に高いエネルギーを生み出すことが出来ても、部屋そのものの暖かさとは直接結び付かないということなのです。そのため、部屋の温度を快適に暖めるのに、ほかの暖房器具よりも時間がかかります。結果的に費用も高くなるというわけなのです。
薪とペレットの単価と燃費を比較
薪ストーブの時間単位の消費量を割り出すのは少し困難です。ストーブの燃焼方式(多次元燃焼式か、触媒付きかそうでないかなどで異なります)や、使われる薪の材質によって価格も燃焼時間も様々に変化するからです。
針葉樹の薪はすぐ燃えますが燃えつきやすいですし、広葉樹の薪は火付きが悪いぶん長持ちします。大まかな平均単価を出すとしたら、キロ単価は100円~200円です。ペレットに比べてかなり安いですね。
では1キロの薪でどのくらい部屋を暖められるでしょうか。市販されている薪は1本約1キロ。着火時に3~5本の薪が必要で、約2時間で熾火になってしまいます。
概算すると1時間に最低限3キロの薪が必要だといえますね。大きさや燃焼方式によっては、もっと多くなるかもしれません。そして熱効率はペレットストーブとほぼ変わらないので、薪の出費とペレットにかかる費用に大きな差はない。あえて言うなら薪の方が若干安めと言えます。
まとめ・扱いやすさと貯蓄をかんがえるならペレットがおすすめ
ペレットストーブは電気を使った暖房に比べて、直接的に部屋を暖めるのは苦手です。ですが、ゆっくりゆっくり暖まった空気はなかなか冷えない性質を持っていますし、2021年現在ではデジタル操作で予約着火が可能なモデルもあります。今後もどんどん快適に使えるペレットストーブが開発されるでしょう。
それに、薪と違いペレットは袋詰めで購入できます。貯蓄しておくためのスペースを省略でき、湿気を気にせず長期間保存可能です。なにより、間伐材を使うなど資源として無駄がなく、本来ゴミになるものを再生利用している点も見逃せません。
石油に依存しないエネルギー原として、木質燃料は高い注目を集めています。自分だけでなく、子どもや孫の世代まで何十年も継続して使える暖房を探しているなら、まずペレットストーブを試してみてはいかがでしょうか。
参考資料