煙突の種類と配置する際に気を付けたいこと

昔から火を囲んで料理をしたり火を囲んで語り合ったりと人々は炎を１つの生活のツールとして使ってきました。

そういった歴史がある中で、近年薪ストーブが注目されていることは自然なことと言えるかもしれません。

最近ではログハウスなどの住宅様式が注目を集めており、炎を身近に感じる方は多くなっているのではないでしょうか。住宅メーカーも薪ストーブやペレットストーブ を提案することが多くなっており、環境保全の視点から見ても薪ストーブは木質燃料を利用できる暖房として注目も高まっています。

効率の良いストーブの配置場所や薪の作り方と同じように煙突の配置や取り回しも薪ストーブやペレットストーブを最大限に利用するため考えなければいけないことだと言えます。

今回は煙突の重要性や役割について書いていきたいと思います。

煙突の役割とは

薪ストーブはエアコンや石油ストーブのように空気を喚起するためのファンがありません。

薪ストーブの煙突はドラフト（空気の温度差によって生まれる上昇気流）によって煙突から煙を排出し、また煙突から空気を取り込むのを促すのが役目です。

ドラフトが発生しないと薪ストーブの燃焼室に上手く空気が取り込まれず煙突から煙が逆流してしまいます。

またドラフトが弱い状態で使うと薪が燃焼した際に発生するタールが煙突にこびりつき煙道火災（煙突の内部で目詰まりを起こして火災が発生する現象）を起こしてしまう可能性もあります。

そのため私たちにできることはそのドラフトを強く促進することが必要です。そのためには煙突の取り回しや配置を考えることは欠かせません。

このドラフトを左右する三要素は

１、煙突の立ち上がり

２、煙突の高さ

３、燃焼の温度

です。

煙突の立ち上がり

まずは煙突の立ち上がりからお話ししていこうと思います。

煙突は真っ直ぐに立てればドラフトの流れもスムーズに作ることができます。

曲げる回数は最小限にとどめ、なるべく垂直な部分を多く取るようにしましょう。そうすれば掃除も楽ですし何より自然とドラフトが生まれるようになります。

煙突の高さ

煙突は必ず規定に沿って設計する必要があります。十分な高さがない場合スムーズな排気を促すことができず室内に空気が逆流する恐れがありますので注意が必要です。

燃焼温度

燃焼の温度が高ければ高いほど、また外の外気温が寒い時ほど強いドラフトが発生します。この燃焼の温度は本体のつまみやレバーなどで適宜調整できますので薪を焼べる際はそのような点にも注意してみてくださいね。

煙突の高さと屋根との距離

薪ストーブの煙突を設置する時には垂直方向に十分高い位置まで設置する必要があります。

煙突が短すぎると十分なドラフトができず煙の逆流が発生してしまう場合もあります。一般的に煙突を設置する場合は煙突の上部までの長さは4.5m必要だと言われています。

煙突を曲げるなら1m以内に収めてください。

煙突の種類

煙突本体にも種類があり、「シングル煙突」と「断熱二重煙突」があります。

シングル煙突

メリット

煙突内部の熱を放射する力が強く部屋が暖まりやすいのがメリットです。

デメリット

周囲の温度に影響を受けやすく屋外に設置してしまうと温度差が発揮できず十分なドラフトを得ることができません。屋内でもシングル煙突を複数部に使用するのは避けできれば最初の1〜1.5mまでにとどめた方が良いでしょう。

断熱二重煙突

メリット

煙突が二重になっているため外気の影響を受けにくい特徴があります。間に断熱材が入っているため屋外の設置にも適しています。煙を高温のままで被出できるためドラフト効果の面で見ると優れています。

デメリット

コストが高い点と重量がある点がデメリットです。そして煙突の周辺は高温になることがあるので火災が起こらない注意が必要なのと、お子さんがいらっしゃるご家庭では火傷などにも注意が必要です。

メンテナンスのことも考えて設置しよう

煙突を設置すると掃除が必要になってきます。煙突掃除は１シーズンに１回はしなければならない作業です。

煙突が詰まると煙道火災を起こす可能性が高く、性能の部分から見ても格段に性能が落ちてしまいます。そのため定期的にメンテナンスする必要があります。

メンテナンスが必要であることを考慮すると煙突の設置位置は安定した足場が用意できるようにしなければなりません。

また少ない手間で清掃できるように配管する必要もあります。

もし屋根の傾斜などがきつく煙突掃除が困難な場合は専門の業者に依頼するようにしましょう。

今回は知っているようで知らない煙突の仕組みと構造などについてお話ししました。

少し難しい話だったかもしれませんが最後まで見て頂きありがとうございます。

煙突について知ることによってより安全に使うことができ、よりストーブの性能引き出すことができます。

寒さが苦手という方やご家庭では薪ストーブの種類や配置の際の注意点に考慮してお住まいやしよう用途にあった薪ストーブの設置方法をご検討してみていただければと思います。