薪ストーブのメンテナンス方法。シーズン中とシーズンオフ別に解説
薪ストーブは灰が残りにくいこともあり、掃除をあまり頻繁に行わないという方も多いかもしれませんね。あるいは、どのくらいの頻度でメンテナンスをしたらいいのかわからないという場合も。
薪ストーブのメンテナンスは、サビの発生を防いだりストーブ本体の耐用年数を長くするためにも重要なものです。上手にケアをしていけば、1台で一生使い続けることも可能になるからです。
そこで、シーズン中にやってほしいメンテナンスと、シーズンオフに専門業者にお願いしたほうがいい作業について解説します。
目次
日常の掃除では灰の除去が大切
2次燃焼、3次燃焼のストーブでは灰の残量はかなり少なくなっています。ですが、まれに不完全燃焼を起こして燃え残りがでることも。ストーブに残った灰は、定期的に除去するようにしましょう。残したままにしておくと湿気を含み、床面を錆びさせる原因になるからです。
特にシーズンが終わりの灰をそのままのこしておくことは絶対に避けるようにしてください。梅雨時にカビを発生させてしまうかもしれませんから。
灰が多い=燃焼効率が悪い。ガラスの汚れもチェック
ドアガラスの拭き掃除はそれほど頻繁に行う必要はありません。ですが、灰がたくさん残っているようならチェックの意味も込めて煤の掃除をしてください。
温度が低かったり空気の供給が上手く行かないと、薪が高い温度で燃えないので煤がたくさんできてしまうのです。ガラスが煤で汚れて中の炎が見えないくらいになると、煤に火が着いてしまって火災を起こしかねません。
ガラスのこびりついた煤は、濡れ布巾やウェットティッシュ、湿らせた新聞紙などでこするときれいに取れます。気になる場合は、使い始めに毎回汚れていないか確認するといいですよ。
消耗品を定期的に交換する
薪ストーブの部品には消耗品も多くあります。これらは一定のサイクルで交換しなくてはいけません。
ドアのガスケットの交換目安
ドアの周囲を取り囲んでいるパーツをガスケットと言います。これはストーブ内部の密閉性を高め、余計な空気が入り込んで燃焼室内が冷えることを防ぐ意味を持っています。
しかし、長期間使っていると徐々に緩んできて隙間が空いてしまうものなのです。ガスケットにゆるみや歪みが見られたら、新しいものと交換する時期の目安といえます。
触媒の交換目安
キャタリック燃焼方式のストーブには、触媒(キャラタリックコンバスター)が搭載されています。これは触媒本体に塗布された金属が燃焼ガスと反応して有害な一酸化炭素を二酸化炭素に変えるとともに、残りの可燃性物質も効率よく燃やして熱に変える役割を持っています。
触媒も使い続けていると劣化が起こります。常に熱にさらされているものですから、金属自体が疲労するのですね。それに高温で使い続けると塗布された金属が溶けてしまうかもしれません。
一般的な触媒は3〜4シーズンが耐用年数と言われています。長くても5年使えば交換しなくてはいけません。
本体の汚れや傷の補修方法
本体表面が錆などで汚れた場合は、専用のポリッシュをつかって磨き落としましょう。機種によってはサビ防止のためにホーローでコーティングされているものありますが、ホーローは傷が付きやすい弱点を持っています。
サビ落としのためのポリッシュをストーブ本体にぬりつけ、ヤシ材などの柔らかい素材のブラシでこすります。プラスチック製ブラシだと強度が弱いですし、金属ブラシだとよけいに傷を付けてしまうのでヤシ材がちょうどいいのですね。
ホーローの凹みは洗面台などの補修につかうパテが利用できます。ただカラーリングが異なると補修跡が目立ってしまうので、事前に自宅ストーブの資料を見て塗料の品番を知っておくといいですよ。
ポリッシュやパテはホームセンターやストーブの専門店で300〜1500円ほどで購入できます。通販サイトでも探すことができますから、手頃な価格のものをストックしておくこともおすすめです。
煙突の掃除はシーズンオフのメンテナンスとして必須
煙突はストーブの健康診断の意味も持っているのでシーズンオフには必ず行わなくてはいけません。とはいえ、屋根の上に登る作業は素人には危険です。むりせず購入したお店や専用業者さんに相談しましょう。
脚立などで対応できる場合もあるかもしれませんが、煤の溜まり具合や金属の腐食の度合いなどは素人には判断できません。少なくとも数年に一度、より理想的には1年に一度の点検を習慣づけましょう。場合によっては煙突そのものを新しく付け直さなくてはいけないかもしれません。
自分で掃除する際の灰の吹き出しに注意
煙突を自力で掃除する場合には、ストーブのドアなどに目張りをしておきます。全体をビニール袋のようなもので包んでおくのもいいですね。
煙突にブラシを入れることで、圧迫された空気がストーブ内部に押し戻されてその勢いで灰が室内に噴出してしまうかもしれないからです。
これを防ぐために、養生テープでドアを塞ぐなどの事前準備を忘れないようにしてください。紙製のガムテープだとあとで剥がしにくくなりますから、ビニールでできた養生テープが適しています。
まとめ・自分でするのは灰の掃除、煙突や消耗品は業者に相談も
薪ストーブのメンテナンスとして日常的に行わなくてはいけないのは、やはり灰の除去です。燃焼の低効率化や火災の危険が増すからですね。
ガスケットの交換時期は、触ったり見たりすることで確認できますが、触媒の疲労は分かりにくいかもしれません。煙突のメンテナンスも含めて、必ず購入、施工してもらった業者さんの連絡先を控えておき、不安があればすぐに相談できるようにしておくことが重要です。
危険を犯してまで自分で煙突を取り外したり、適切なケアを怠ったまま薪をもやし続けることは絶対に避けなくてはいけません。安全に長く使うために、専門家のアドバイスを仰ぐことも重要です。