薪ストーブの補助金を使うまでの流れ|47都道府県の一覧つき

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薪ストーブやペレットストーブの設置に補助金を出している市町村があります。金額だけでなく、受付時期、対象になる機種、施工業者の所在地など、条件は市町村ごとに違います。

行き違いが起きやすいのは、大きく2つです。1つは時期。もう1つは、お金が出ていく順番です。補助金は工事が終わったあとに振り込まれるものがほとんどで、工事代金はいったん自分で払います。このページでは、その2つを先にお伝えしたうえで、今年度に間に合わなかった方が次の受付に向けて何を準備すればよいかを、一般の方にも、相談を受ける行政担当者・施工店の方にも伝わる言葉で整理します。

当社では47都道府県・1,741市区町村の公式サイトと交付要綱を1件ずつ確認し、都道府県ごとのページにまとめています(2026年8月時点)。このページに出てくる例は、すべてそのページに載せている実際の制度です。

冬に思い立って、間に合わないのは自然なことです

薪ストーブを思い立つのは冬、補助金の受付が始まるのは春。季節がずれているので、出遅れたのではありません

薪ストーブを入れようと思うきっかけは、たいてい冬にあります。泊まった宿や喫茶店、友人の家で火が入っているところを見て、「自分の家にも」と考え始めます。実際の暖かさや使い方を体験できるのも冬です。

一方、補助金は春に受付が始まり、予算に達すると年内でも終わります。秋や冬に調べて「今年度分はもう終了していた」と分かるのは、珍しいことではありません。この行き違いは、毎年ふつうに起きています。出遅れたのではなく、薪ストーブを考える季節と補助金の季節がずれているのです。

順番だけは、間違えないでください

補助金がもらえる正しい順番。1見積を取る、2市町村に申請、3交付決定を待つ、4契約して着工。交付決定より前に工事を始めるともらえません

補助金を使うときは、次の順番で進めます。

  1. 見積を取る
  2. 設置する方ご本人が市町村に申請する
  3. 交付決定の通知を受け取る
  4. 契約して着工する

交付決定の前に工事を始めると、補助は受けられません。契約や発注も着工と同じように扱われる場合があるため、業者さんと話がまとまった段階で、先に市町村の担当課へ確認してください。

申請するのは設置される方ご本人です。書類の準備は、業者さんにサポートしてもらいながら進めてください。

お金は、先に要ります

補助金は先に工事代金の全額を払い、実績報告と審査のあとに一部が戻る後払いです

意外と知られていないのが、ここです。補助金は「その分だけ安く買える割引」ではありません。「あとから一部が戻ってくるお金」です。

多くの制度は、工事が終わったあとに実績報告(工事が終わったことを証明する書類)を出し、自治体の審査が済んでから振り込まれます。この形を精算払い、あるいは後払いと呼びます。つまり工事代金は、いったん全額を自分で支払うことになります。北海道厚真町のように手続きが「①予約申込 → ②交付申請 → ③工事完成届・実績報告 → ④請求」の4段階で、お金を請求できるのがいちばん最後という制度や、群馬県安中市のように支払を完了した日から90日以内に申請する(=先に全額払う)制度が実際にあります。当社が47都道府県を調べた範囲では、工事の前にお金を受け取れる制度は見当たりませんでした。

だから、「補助が出る前提」で予算を組むと、途中で詰まります。気をつけたいことは2つです。

  • 申請しても交付決定が取れないことがあります。多くの制度は先着順で、予算に達した時点で受付が終わります(広島県北広島町は令和8年度の予算上限に達して受付終了)。補助金の分を差し引いた金額で資金を組んでいると、決定が取れなかった時点で計画を見直すことになります。
  • 交付決定が取れても、振り込みは工事と報告のあとです。実績報告の締切を年度末(2月〜3月)に置く制度が多く、報告から振り込みまでにも審査の時間がかかります。手元のお金が戻るのは、火を入れてからしばらく先です。

資金の計画は「総額をいったん用意する」前提で立てて、見積を取ったら支払いのタイミング(着手金がいつ、残金がいつ)を業者さんに確認しておいてください。補助金の振込時期は市町村の担当課で確認できます。

2年がかりで考える

この冬に動くと来年の補助金に間に合う。1年目の冬にショールームを見て業者を探し機種を選ぶ。2年目は4〜6月に申請、7〜10月に工事・設置、11〜12月に実績報告、1〜3月に完了・入金

実際に薪ストーブを入れた方の多くは、1〜2年前から動いています。1年目の冬にショールームへ行き、業者と機種を選び、2年目の春に申請する。交付決定後に工事を始め、その年度内に設置と実績報告を終える流れです。

春の受付に合わせるために、冬のうちに準備しておく。こう考えると、今年度に間に合わなかった時間も無駄になりません。急いで決めるより、実物を見て、家と機種と施工方法を一緒に考える時間にできます。資金を用意する期間としても、1年あると余裕が違います。

今年度に間に合う人、来年度に回す人

まだ契約や工事を始めておらず、自治体の受付が続いている方は、今年度に間に合う可能性があります。受付中でも予算に達して終わることがあるため、見積を用意して担当課へ確認してください。先着順だけでなく、予算を超えた日に抽選する制度もあります。

すでに受付が終わっている方や、業者・機種をこれから決める方は、来年度へ回すほうが落ち着いて準備できます。翌年度も同じ制度があるとは限りませんが、条件に合う家づくりと機種選びは先に進められます。

待つ1年でやっておけること

待つ1年にやる4つのこと。ショールームで火が入ったところを見る、施工業者を先に探す、機種が条件に合うか確かめる、新築なら置き場所を先に相談する

来シーズンに向けてできる準備は、この4つです。

  1. ショールームで、火が入ったところを見る。写真やカタログでは、暖まり方や薪の使い方までは分かりません。冬のうちに実際の運転を見てください(鳥取県若桜町では役場のエントランスや町公民館にも薪ストーブが置かれています)。
  2. 施工業者を先に探す。業者の所在地が条件になる制度があります(北海道旭川市は市内に本店・支店等のある業者に限定)。どこに頼むかで金額が変わる町もあり、群馬県中之条町は町内の登録業者なら上限16万円、町外なら8万円です。業者を決める前に条件の確認を。
  3. 機種が条件に合うか確かめる。二次燃焼や熱効率60%以上といった条件を付ける市町村があります(千葉県いすみ市・青森県八戸市など)。北海道厚真町のように薪ストーブは鋳物製以上、と材質を見る町もあります。カタログに数値の記載がなければ申請書類で証明できません。候補を絞るときは、当サイトの製品ページにある仕様表もご利用ください。
  4. 新築なら、置き場所を先に相談する。炉台や煙突の通り道を新築時に用意し、本体を翌年度に入れる方法があります。「後から入れられる家にしたい」と設計の打ち合わせで伝えてください。この相談は家の着工前に、専門の業者を交えて。

上限額だけで比べると、金額を読み違えます

同じ上限10万円でも戻る額は違う。本体のみ、工事費まで、煙突まで対象の3種類。煙突は本体と同じくらいかかることがあります

同じ上限額でも、何が対象経費に入るかで実際に戻る額は変わります。大きく分けると、次の3種類です。

対象経費含まれるもの
本体のみストーブ本体。工事費と煙突は自己負担
設置工事費まで本体と据付工事
煙突まで本体、工事、煙突

薪ストーブは、煙突が本体と同じくらいかかることがあります。北海道旭川市は排煙筒(煙突)と支持部材まで対象経費に入れ、北海道鶴居村は屋外までの煙突を、群馬県沼田市は煙突を含む購入・設置費用を対象にしています。

一方、愛知県設楽町は上限30万円と大きい額ですが、要綱に「設置工事費、煙突工事費、附帯設備費、運搬費その他機器本体以外に係る経費は対象外」と書かれていて、出るのは本体の代金だけです。北海道厚真町も本体代のみで工事費と煙突は対象外、山形県遊佐町も本体のみで工事費は対象外です。上限額の大小より先に、この行を読んでください。

多くの制度に共通する条件

47都道府県を調べた範囲では、交付決定後に着工することに加えて、次の条件が多く見られました。

  • 同じ住宅・同じ世帯で1回限り
  • 未使用品であること。中古品やリース品は対象外
  • 市町村税などを滞納していないこと
  • 年度内に設置を完了し、実績報告を出すこと

前の所有者が補助を使った中古住宅では、同じ住宅で2回目と扱われる場合があります。条件は制度ごとに違うため、申請前に確認してください。

「制度が無い」と「対象外と書いてある」は違います

薪ストーブ専用の制度がなくても、住宅リフォーム補助を使えることがあります。実際、当社が調べた1,741市区町村のうち、薪ストーブ・ペレットストーブに使えると確認できた制度があるのは228市町村でした。一方で、対象にも対象外にも記載がなく、窓口で相談する価値があると判断したものが900市町村あります。

一方で、はっきり除いている自治体もあります。群馬県伊勢崎市は住宅リフォーム助成の対象外工事に薪ストーブを名指しで載せ、青森県横浜町と階上町は対象工事の一覧で「ストーブ」を、六ヶ所村は「暖房設備」を対象外と明記しています。北海道札幌市は「LED照明や薪ストーブ等、本ページに記載のない機器は補助対象となりません」と書いています。

案内が見つからないことと、対象外であることは同じではありません。「制度なし」と判断する前に、リフォーム補助の対象工事一覧まで確認してください。

市町村のサイトに載っていない制度もあります

制度はあるのに、市町村のホームページに案内ページが無いことがあります。愛知県豊根村のペレットストーブ購入補助金は、上限25万円と大きい額ですが、当社が確認できた出典は例規集の要綱だけでした。鳥取県智頭町も、交付要綱が例規集に残っているのに町の案内ページがありません。群馬県川場村は交付要綱、高山村は広報の補助事業一覧が出典です。青森県三戸町にいたっては、農業支援ガイドブックPDFの10ページ目にだけ薪ストーブ補助が載っています。

担当課も環境課とは限りません。群馬県沼田市は経済部農林課森林整備係、みなかみ町は農林課林業振興係、青森県八戸市は農林水産部畜産林政課、山形市は農林部森林整備課です。薪ストーブの補助は、森林政策や林業振興の予算で行われることがあります。役所へ問い合わせるときは、環境系の課で見つからなければ、林業や森林整備の担当課も確認してください。

補助金の内容は、毎年変わります

鳥取県では、3年前に10市町村にあった薪ストーブ補助が、令和8年度には4町へ減りました。大山町は令和8年度で終了、江府町と伯耆町は令和8年4月に廃止されています。群馬県でも前橋市の木質燃料ストーブ購入費補助金は市のページが終了の告知に変わり、甘楽町の住宅リフォーム促進事業補助金は令和8年度で終了します。年度の途中で枠が埋まることもあり、広島県北広島町は令和8年度の受付をすでに終えています。

逆の行き違いもあります。古い情報を見て「うちの町には無い」と思い込むと、使えたはずの制度を取り逃がします。当社も、2026年8月に47都道府県を確認し直したところ、いったん「制度なし」としていた市町村のうち300件あまりを「要確認」に改めることになりました。古い情報で「ある」と思って出向くことも、「ない」と思って取り逃がすことも避けたいところです。

当サイトでは各都道府県ページに確認日を明記し、4月の新年度と、枠の消化状況が見える9月を目安に内容を見直します。最終的な受付状況と申請の可否は、必ず市町村の担当課でご確認ください。

各都道府県ページの見方

47都道府県のページは、同じ形で作っています。初めて開く方のために、見方を6つにまとめておきます。

  1. 一覧表は4つの列で見ます。各ページの中心は、その都道府県の全市町村を並べた一覧表です。列は「市町村」「薪ストーブ・ペレットストーブ」「問合せ先」「制度の名前」の4つ。制度の名前からは、その自治体の公式ページへ直接リンクしています。まず自分の市町村の行を探してください。
  2. 市町村名がリンクになっていたら、押すと詳しい説明に飛びます。「あり」「要確認」の市町村は、名前がページ内リンクになっています。飛んだ先に、金額、対象になる経費、機種の条件、受付期間、問合せ先を書いています。
  3. 「要確認」は「出る」という意味ではありません。その市町村の制度に薪ストーブが対象とも対象外とも書かれていないもののことです。当社が要綱や対象工事の例を読んで「窓口で相談する価値がある」と判断したもので、市町村がそう説明しているわけではありません。「うちは対象だ」と決めてしまう前に、担当課へ確認するところから始めてください。
  4. 「なし」と「対象外と明記」は書き分けています。「なし」は、当社が公式サイトと要綱を確認した範囲で見つからなかった、という意味です。自治体が「対象外」と名指ししているものは別の節に分けて、どの制度のどこにどう書かれているかまで載せています。確認できなかったものは「要確認」として、「なし」とは混ぜていません。
  5. 確認日を必ず入れています。補助金は1年で内容が変わります。各ページに「◯年◯月◯日時点」と確認日を書いていますので、日付を見てから読んでください。日付が古いと感じたら、制度名のリンクから公式ページへ進むのが確実です。
  6. 北海道は4ページに分かれています。市町村が179あるため、道央・道南・道北・道東の4ページに分けています。お住まいの地域のページをお選びください。

47都道府県から探す

47都道府県すべてのページを公開しています(北海道は道央・道南・道北・道東の4ページ)。全国の全体像——補助が「ある」のは何市区町村か、いくら戻るのか、お金はどこから来ているのか——は、薪ストーブの補助金、1,741市町村ぜんぶ調べて分かったこと(令和8年度)にまとめています。

よくいただくご質問

県と市町村の補助は、両方受けられますか

都道府県によって性格が違います。山形県のように個人向けの県制度があり市町村と併用できる場合もあれば、鳥取県のように県制度が事業者向けの場合、青森県のように県が金額を決めて一括で受け付けている場合もあります。共通の答えにできないため、各県ページでご確認ください。

補助金はいつ振り込まれますか

多くの制度は、工事が終わって実績報告を出し、審査が済んでからの振り込みです。工事代金はいったん全額を自分で支払う前提で資金を用意してください。実際の時期は制度ごとに違いますので、申請の前に市町村の担当課へご確認ください。

買い替えでも使えますか

新規設置だけを対象にする制度があります。山形県米沢市は「ストーブの更新(買替え)」、鶴岡市は既存設備の更新、北海道鶴居村も更新(買い替え)を対象外としています。一方、高知県日高村と佐川町は買い替えも対象と要綱に書いています。入れ替えを予定している方は、見積の前に確認してください。

賃貸住宅でも使えますか

所有者の承諾を条件とする制度があります。住宅の所有者と市町村の担当課へご確認ください。

中古のストーブでも使えますか

調べた制度の多くは未使用品を条件とし、中古品やリース品を対象外としています。広島県北広島町のように「未使用品に限る」と要綱に明記している例もあります。

事業所や店舗でも使えますか

市町村によります。群馬県沼田市は市内の店舗・事務所への設置も対象、北海道旭川市は中小企業者・法人・個人事業主も対象です。青森県八戸市は法人・個人事業者、山形県鶴岡市は自治会・町内会も対象としています。一方、山形県東根市は個人向けと法人向けが別制度です。

本ページの内容は、当社が各自治体の公式サイトと交付要綱を確認してまとめたものです(当社調べ)。万一、内容の誤りにお気づきの場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ訂正します。最終的な申請の可否、受付時期、対象経費は、必ず各市町村の担当課へご確認ください。

薪ストーブ・ペレットストーブの設置には、市町村によって消防への届け出が必要になる場合があります。設置工事は、必ず専門の業者にご相談ください。

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