薪・ペレット兼用ストーブに補助金は出るのか。要綱の「3つのパターン」と、購入前の相談のしかた

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薪・ペレット兼用ストーブに補助金は出るのか。要綱の3つのパターンと相談のしかた

薪ストーブとペレットストーブの補助金を調べていくと、「兼用ストーブ」「ハイブリッドストーブ」を検討している方から、よく同じ質問が出てきます。薪もペレットも焚ける機種は、補助金の対象になるのか、という質問です。

「兼用機だから一律に対象外」ではありません。ただし、兼用機を名指しで外している自治体が実際にあります。当社が47都道府県の補助制度を公式サイトと交付要綱で調べていくなかで、要綱の書き方は大きく3つのパターンに分かれることが分かってきました。この記事では、実在する制度の実文を挙げながらその3つのパターンを整理し、購入前に窓口で何をどう相談すればよいかまでご案内します。

兼用ストーブとは。薪の楽しみとペレットの効率を1台で

検索でこのページにたどり着いた方のなかには、「兼用ストーブ」という言葉を初めて見た方もいらっしゃると思います。兼用ストーブ(ハイブリッドストーブ)は、1台で薪と木質ペレットの両方を焚けるストーブです。休日は薪をくべて、炎を育てる時間をゆっくり楽しむ。平日はペレットで、手間をかけずに安定した暖かさを得る。薪ストーブの楽しみとペレットストーブの効率のよさを、1台で両立できるのが魅力です。ペレットは粒状の木質燃料で、多くのペレットストーブは電気で制御しながら燃料を自動で送るため、火力が安定しやすいという特徴があります。

当サイトでは、薪×ペレット兼用機として次の2機種を紹介しています。写真と詳しい仕様は、それぞれの製品ページをご覧ください。

INVICTA AKIMIX(アンヴィクタ アキミックス)
Aduro Hybrid(アデュロハイブリッド)

そして、この「兼用」という考え方は、まだ広く知られているものではありません。補助金の窓口の方がご存じないことも珍しくないのです。だからこそ、購入前に一度、自治体の方と話してみることが大切になります。その相談のしかたまで含めて、順に整理していきます。

まず言葉の整理。「兼用機」には2種類あります

ひとくちに兼用機・ハイブリッドストーブと言っても、燃料の組み合わせで2種類に分かれます。この区別が、補助金の可否を分ける入り口になります。

1つめは、薪×ペレットの兼用機です。先ほど紹介したAKIMIXやAduro Hybridがこのタイプで、燃料はどちらも木からできたもの、つまり木質バイオマスだけです。

2つめは、木質×灯油・ガスなどのハイブリッド機です。燃料の片方が木質ではないタイプで、こちらは「木質バイオマス機器への補助」という制度の趣旨から外れやすくなります。

同じ「兼用」でも、要綱に照らしたときの読み方がまったく変わります。ご自身が検討している機種がどちらなのか、カタログの燃料欄で先に確認しておいてください。

要綱の書き方は3つのパターンに分かれます

補助金の交付要綱の書き方は3パターン。名指しで外す、木質のみとする、何も書いていない。いずれの場合も購入前に自治体の窓口へ相談する

パターン① 兼用機を名指しで外す型

いちばんはっきりしているのがこのパターンです。要綱や案内ページに「薪兼用は対象外」と書いてあるので、迷う余地がありません。当社の調査で確認できた実例を挙げます。

自治体制度の名前どこに、どう書かれているか
北海道北広島市令和8年度 北広島市住宅用再生可能エネルギー及び省エネルギー機器設置補助金ペレットストーブの要件に「薪を燃料として利用できない構造であること」。薪ストーブはもちろん、薪×ペレット兼用機も対象になりません
北海道札幌市札幌市再エネ省エネ機器導入補助金制度機器要件に「薪を燃料として利用できない構造」。あわせて「LED照明や薪ストーブ等、本ページに記載のない機器は補助対象となりません」と明記
北海道遠軽町遠軽町ペレットストーブ購入費補助金対象機器の欄に「薪兼用ストーブは除く」と明記
山梨県富士吉田市富士吉田市再生可能エネルギー設備設置費補助対象は「木質ペレットのみを燃料とする暖房器具」で、「薪兼用ストーブは対象外」と明記

※各制度の内容は当社が2026年8月22日〜27日に各自治体の公式ページで確認したものです。年度の切り替わりで内容が変わることがあります。

このパターンのポイントは、ペレットストーブには補助を出しながら、薪が焚ける構造を外していることです。上限20万円(富士吉田市)や上限30万円(遠軽町)といった手厚い制度でも、薪も焚けるタイプを選んだ時点で1円も出ません。「ペレットストーブが対象なら兼用機もいけるだろう」という読みは、このパターンの自治体では通らないのです。機種を選ぶ前に、要綱のこの一文があるかどうかを確認してください。

受付の状況にも差があります。遠軽町は令和8年度の募集件数が2件と枠が小さく、北広島市の令和8年度の受付は7月31日にすでに終わっています(8月20日に抽選が行われました)。富士吉田市は設置後6か月以内に申請する事後申請型ですが、設置前の写真が必要なため、工事に入る前の準備が要ります。

パターン② 「木質バイオマスのみを燃料とする」型

次は、兼用機そのものには触れず、燃料の側に条件を置くパターンです。実例は青森県八戸市です。

令和8年度八戸市木質バイオマス利活用促進事業補助金は、薪ストーブ・木質ペレットストーブの購入・設置費の1/3(上限15万円)を補助する制度で、対象設備の要件に「木質バイオマスのみを燃料とするもの」という一文があります。

この一文をどう読むか。薪も木質ペレットも、どちらも木質バイオマスです。そのため、薪×ペレット兼用機は字面のうえでは要件を満たすと読めます。一方、灯油やガスと併用するハイブリッド機は「木質バイオマスのみ」に当たらないため、対象外になると思います。

ただし、ここまでは当社の読みであって、八戸市の説明ではありません。兼用機の可否について要綱にあるのは、この一文だけです。通すとも落とすとも書かれていません。実際の判定は市が行いますので、兼用機で申請を考えている方は、機種を決める前に担当課へご確認ください(八戸市のこの制度の担当は農林水産部 畜産林政課です。詳しくは青森県の補助金ページにまとめています)。

なお八戸市には燃焼効率60%以上という数値要件もあり、申請書類として「仕様書又はカタログ」の提出が求められます。カタログに燃焼効率(熱効率)の記載がない機種は証明のしようがないため、ここも機種選びの段階で見ておく必要があります。

パターン③ 兼用機について何も書いていない型

実際に要綱を読んでいくと、いちばん多く出会うのがこのパターンです。薪ストーブやペレットストーブの扱いは書いてあっても、兼用機のことは何も書いていない。

たとえば山梨県忍野村の忍野村木質ペレットストーブ設置費補助金は、購入費と設置費の1/2・上限20万円という手厚い制度です。ただし村のページに年度の記載がなく、令和8年度も同じ内容かは環境水道課への確認が必要です。この制度の交付要綱を読むと、対象は「木質ペレットを燃料として使用する暖房器具又は装置」と定義されているだけで、「のみを燃料とする」という限定(パターン②)も、薪兼用を除く条項(パターン①)もありません。隣の富士吉田市(パターン①)のように「薪兼用ストーブは対象外」と書いてあれば諦めもつきますが、何も書いていない場合、外から読んでいるだけでは判定できないのです。

このパターンでは、兼用機がこの定義に当たるかどうかは、自治体ごとの判断になると思います。詳細は各自治体の窓口でご確認ください。確認せずに購入まで進んでしまうのが、いちばん避けたい流れです。

窓口で何をどう相談するか

窓口の方が「兼用」「ハイブリッドストーブ」という言葉をご存じないことは、珍しくありません。「兼用ストーブは対象ですか」と聞いても、きょとんとされてしまうことがあります。窓口の方が不勉強なのではなく、その自治体でまだ誰も兼用機で申請したことがない、というだけのことだと思います。

ですから、言葉が通じなくても諦めないでください。カタログを見せながら(電話ならカタログを手元に置いて)、「薪も木質ペレットも焚ける機種です」と言い換えて相談してみてください。検討した例がない自治体であれば、これから検討してもらうつもりで、材料を渡しながら話を進めることになります。購入を決める前に一度、自治体の方と話してみること。これがいちばん大切です。

そのうえで、相談の電話やメールは、聞き方で答えの精度が変わります。機種を特定できる情報を先に渡すのがコツです。

「◯◯(制度の正式名称)について伺います。設置を検討しているのは◯◯社の◯◯(型番)という機種で、カタログ上の燃料は薪と木質ペレットの2種類です。この機種はこの制度の対象になりますか。」

伝えるのは3点です。①制度の正式名称、②メーカー名と型番、③カタログに書かれている燃料の種類。灯油やガスとのハイブリッド機なら、そのことも最初に伝えてください。あとから分かると、判定が覆ることがあり得ます。

あわせて、確認した日付と担当課名を控えておいてください。メールや問い合わせフォームで聞けば、回答がそのまま記録として残ります。補助金の申請者は設置されるご本人ですが、販売店に手続きを代行してもらえる制度もあります(八戸市など)。ただし、対象になるかどうかの確認は、購入を決める前にご本人が行ってください。準備は業者さんにサポートしてもらいながら進めてください。

兼用機を検討している方への実務アドバイス

カタログの燃料欄が、そのまま審査の証明書類になります。八戸市のように申請書類に「仕様書又はカタログ」を求める制度では、審査する側もカタログの記載で判定します。兼用機はカタログに「薪/木質ペレット」と併記されていますから、パターン①の制度ではその記載が根拠になって対象外となり、パターン②の制度では逆に「木質のみ」を満たすことを示す材料になると思います(パターン②の節で書いたとおり、判定は自治体が行います)。カタログに書かれている燃料の種類は、審査でもそのまま使われます。自分の機種のカタログに燃料がどう書かれているか、申請前に必ず見ておいてください。

同じ県内でも、隣の市町村で扱いが逆になります。山梨県の富士北麓では、富士吉田市がペレット専用機のみ(薪兼用は対象外)である一方、都留市は薪ストーブも対象にしています。隣町の制度を自分の町に当てはめないでください。お住まいの自治体の制度は、山梨県青森県・北海道(道央道東)など、当サイトの都道府県別ページで確認できます。

申請の順番も落とさないでください。多くの制度は交付決定の前に着工すると対象外になります。申請から設置までの流れは薪ストーブ・ペレットストーブの補助金ガイドにまとめていますので、機種選びと並行して読んでおいてください。

この記事の調べ方

本ページの内容は、当社が各自治体の公式サイトと交付要綱を確認してまとめたものです(当社調べ・2026年8月22日〜27日確認)。要綱に書かれている実文と、当社の読みは本文中で区別して書いています。当社の読みは自治体の公式見解ではありませんので、申請の判断は必ず窓口への確認を経て行ってください。万一、内容の誤りにお気づきの場合は、お問い合わせからお知らせください。確認のうえ訂正します。

設置工事は、必ず専門の業者にご相談ください。

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